極付印度伝 マハーバーラタ戦記@歌舞伎座

  • 2017.11.01 Wednesday
  • 17:42

ここにきて急に寒くなりました。

おでんが美味しく感じる季節ですね。

 

先週、インド仲間の間で大絶賛されていた

極付印度伝 マハーバーラタ戦記」を観るために

東銀座の歌舞伎座まで足を運びました。

歌舞伎なんて高校生ぶり。

あらすじが難しそうだったので少しだけ予習をして、

インドの古典がどのように歌舞伎になるのかワクワク。

4時間半睡魔に負けないか若干不安でしたが、

終始圧倒される舞台に興奮しっぱなしでした。

 


マハーバーラタはヒンドゥ教の代表的な文献のひとつで、

十八篇十万詩節という世界最大級の叙事詩。

主筋は五王子と百王子の確執と戦争で、

間に神話、伝説、物語、哲学や宗教などを含んだ百科事典的な資料です。

バガヴァット・ギータという有名な宗教と哲学の書も含まれます(注1)。


 

戦争が終わらない世を憂い、神様が策を練る場面から始まります。

豪華絢爛な神様が衣装が眩しい。

そして舞台の背景に効果的に使われている屏風絵(深沢襟)は、

懐かしいような温かみのある筆致で印象的でした。

 

歌舞伎特有の花道ですが、

今回は両花道。

せっかくだからと両花道に挟まれる1等席で鑑賞しましたが、

とってもよかったです。

次にどの神様が登場するのかドキドキするせり上がり。

大決戦を前に両軍が向き合う時には

迫力があってこちらまで武者震いしました。

 

決闘のすごみを馬と大旗と人の動きで、

よくぞ表現していたなぁと思います。

死に際の言葉と演技がカッコイイ。

「己の道は己が選ぶのじゃー」が刺さりました。

 

戦わないで戦いを止めさせる使命の迦楼奈(カルナ、尾上菊之助)と

戦うことで戦いを止める使命の阿龍樹雷(アルジュラ、尾上松也)の対比。

 

「戦わない」のに戦いを選ぶ迦楼奈。

「戦う」ことを前に戦意喪失した阿龍樹雷。

 

阿龍樹雷に仙人久利修那(クリシュナ、菊五郎)が語ります。

神へ通じる道として、執着を捨て、もろもろの行為をしなさい。

 

「自分の生き方に迷うことはあってもよいんだ。」

「なぜ生きるのか?」

「自分の生きる道は何なのか。」

 

と彼らの生き方を自分に重ねて、深く考えちゃいました。

 

 

一人一人の登場人物が個性豊かで魅力的。

歌舞伎俳優さんの技術、素質はすごいと感動。

歌舞伎の伝統的な唄と音、

インドらしい旋律も非常に効果的に使われていました。

 

人間と神様の世界の境目が曖昧なのがインドらしく

神様が言うことが少し変わったり、綺麗事だけでないところ、

戦争をしたくなくても戦争をしてしまうところが人間らしかった。

つい自分の目線、マクロで悩んでしまいがちですが、

長く愛される物語は壮大で普遍的なテーマが

含まれているのだなぁと終わった後も何度も味わっています。

 

演出は静岡県舞台芸術センター(SPAC)の芸術総監督の宮城聰。

SPACで数年前に「マハーバーラタ〜奈良王の冒険」を上演して、

2014年7月、世界最高峰の演劇の祭典「アヴィニョン演劇祭」で、

20年ぶりの日本人演出家の作品として『マハーバーラタ 〜ナラ王の冒険〜』を上演。

その成果をもって2017年同演劇祭のオープニング作品を上演しました。

これはアジア圏の劇団として史上初の快挙。

という静岡ご縁のある作品。

演劇も歌舞伎もまたどこかで上演するのを楽しみにしています。

バガヴァット・ギーターもいつか読めたらいいなぁ。

 

慣れない歌舞伎の感想文、最後までお読みいただきありがとうございました。

注1)上村勝彦著:インド神話より抜粋

JUGEMテーマ:インド料理・カレー

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